「死」は忌み嫌うものとして避けられていますが、言葉の表現として知っておきたいですね。
*手向ける
神仏や死者に供え物をする際には「献じる」「奉納する」という言葉がよく用いられますが、大和言葉には「手向ける」という表現があります。
手を使って、供え物を相手に向けて差し出す、という意味です。
「追悼の会では、みんなで花を手向けて祈りましょう」のように用いれば、「献じて」といった硬い言葉よりも、故人と直接触れ合うイメージを表現できます。
*みまかる
「みまかる」は「死ぬ」という意味で、敬語ではありませんが、響きの中に死に対する厳粛な気持ちが感じられます。
使う場合は、自分の側の人間の死を語るときに適した言葉です。
*虫の知らせ
身近な人の身に恐ろしいことが起きたとき、遠く離れていても何となくそれを感じた、という話を聞いたり、そうした経験もあるでしょう。
最近は、この感覚を「霊感」「第六感」と呼ぶことが多いですが、伝統的に用いてきたのは、「虫の知らせがあった」、「虫が知らせた」という表現です。

この「虫」とは、私たち一人一人の内に宿り、通常の精神活動とは別のレベルで認知や感情に影響を与えると信じられてきた神秘的な存在のこと。
何ともつかみどころのない概念ですが、「霊感でわかった」「第六感で察した」という言葉より、「虫の知らせがあった」という表現のほうが、聞き手が素直に受け入れてくれる確率が高まります。
